バルセロナ、マドリードとから日帰りできる郊外にも魅力的な場所があります。
日本ではお目にかかれない景色に心奪われ、バロセロナ郊外のモンセラート、マドリード郊外のトレドに行くことにしました。
日本での一般的認知度はあまりないかも知れませんが、日帰りでも見応え十分。素敵な訪問となりました。
バルセロナから聖地モンセラートへ

バルセロナ郊外のモンセラートは灰白色の奇岩がそびえ立つ、「のこぎり山」という意味のをもつ場所。「黒いマリア像」が洞窟から発見されて以来、多くの巡礼者が訪れるカタルーニャの聖地となっています。
また、モンセラートの景色を一望できる展望台もあります。日頃の運動不足を解消すべく、ちょっとした山歩きも楽しむことができます。
行き方

モンセラートに行くには登山電車(Cremallera)で行く方法と、ロープウェイ(Aeri)で行く方法の2種類があります。私たちは座って行けるように往復登山電車で行くことにしました。
バルセロナ近くのホテルから地下鉄を乗り継ぎ、地下鉄3号線のEspanya駅で下車。それから地下鉄1号線のホームを通って途中にある改札を出ます。この間、少し距離がありますが大丈夫。
建物の中をそのまま進むと、カタルーニャ鉄道R5号線の乗り場が現れるので、ここの黄色い券売機で切符を購入します。私たちはカタルーニャ鉄道と登山電車の往復チケットを購入しました。
乗り込む列車は Manresa 行きです。Manresa Bdor. と表記されています。これで大丈夫かどうか不安になったので窓越しに運転士さんに聴くと、大丈夫と丁寧に説明してくれました。
どうやら Manresa Bdor. は Manresa-Baixador を略した表記でした。Baixador はカタルーニャ語で下車する場所を意味する単語のようです。



約1時間で Monistrol de Montserrat 駅に着き、そこで登山電車に乗り換えます。
登山電車は乗ってきた電車とスムーズに乗り継ぎできる時間になっていて、向かいのホームにはすでに緑の登山列車が停まっていました。
ちなみにロープウェイに乗っていくときは、一駅前のAeri de Montserrat 駅で下車してロープウェイに乗り継ぎます。
登山電車おすすめの座席は進行方向左側です。力強く登っていく列車の音を聞きながら、眼下に街を見下ろし登ること20分。山頂のMontserrat Monestir 駅に到着です。
駅を出ると修道院はすぐです。写真の黄色い矢印の中が階段になっているので、そちらに進んでいきます。


サンミゲル展望台まで散策
私が訪れる2024年から、黒いマリア像の拝観は有料の予約が必要になりました。 13:45からの入場になるので、その前にサン・ミゲル展望台まで散策するスケジュールにしました。
山頂駅を出て左手に進んで行くと正面に建物が見えてきます。そこをさらに左側に歩いて行くと赤い看板があります。一番下にCamí de Sant Miquel の文字がありますね。これがサン・ミゲル展望台です。
この先をしばらくまっすぐ行くと、途中に二股になる場所があります。左側の道を行き下っていくと写真撮影スポットがあり、その先の十字架のある場所がサン・ミゲル展望台です。
片道20分程度で到着。
のはずが、私たちは道が二股になるところに気づかず右側に進んでしまいました。それらしき標識があった気がしますが・・・。なぜか違うと思い通り過ぎてしまったんですよね。
トレッキングコースがその先にも続いていたので、トレイルランをしている人たちが進む方に気をとられていたのかもしれません。
途中で20分は優に超えているなぁと思い、引き返して無事目的地につくことができました。





黒いマリア像
サン・ミゲル展望台から戻り、午後からは教会の黒いマリア像を見学です。
かなり時間があったので教会の内部をゆったり回ってみました。


入場時刻は13:45。早めに行くと中へ入ることができたので、ラッキーと思っていたら。
はい、中へ入ってからの列がとても長かったです。
入場してからすぐの場所に黒いマリア様はいないのです。裏側を通って大聖堂の奥まで行かなくてはなりません。
黒いマリア様はガラス張りになっていますが、手に持っている球体のみ触ることができるようになっています。これを触って願い事をすると叶う、という言い伝えがあるそうです。
厳かな中での黒いマリア様の見学でした。


早朝出発の日帰りで、余裕のスケジュール
この日は始発でモンセラートへ向かいました。
1時間ちょっとで着くので、余裕をもって楽しむことができます。
駅の名前が似ていて混乱しますが、下調べをしっかりして行けば不安に思うことはありません。
帰りの電車は地元の方々も多く乗ってくるので、途中からは混雑していました。人が多いとスリも現れたりするので、くれぐれも無防備にはならないように注意。
マドリードから古都トレドへ

マドリードからの近郊日帰りプチトリップは、主人たっての希望で トレド へ。
「スペインに1日しかいられないなら迷わずトレドへ行け」とは誰が言ったのか。そんな言葉を聞きつけた主人。もちろん行きますとも!お供いたしますよ。
行き方
宿泊ホテル ザ・ウエスティンパレス・マドリード の最寄り駅、アトーチャ駅から高速列車 Renfe Avant で約30分。
夏休み中、人で混雑する駅をウロウロするのが嫌だったので、こちらもサクッと Omio で往復予約をしました。
前日駅を下見に言ったのですが、思っていた乗り場と違い戸惑いました。
見にくいですが、改札が2箇所あり、PLANTA BAJA が地下の改札、PLANTA PRIMERA が上の階の改札のようです。
この日はPLANTA BAJA 地下の改札から入りました。不安なときは職員さんに聴くのが正解です。皆さん気さくに答えてくれますよ。

荷物検査を受けて入場。扉が開いたらホームへ入ることができます。


30分ほどでトレドに到着します。あっという間ですね。


駅の中はステンドグラスや可愛らしい模様のタイルがあったりと、とても綺麗でした。



中世のスペインへタイムスリップ
駅を出てトレドの中心部へ向かってテクテク歩きです。
トレドは古都トレドとして世界遺産に登録されています。
西ゴート王国の首都、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の文化が交錯した都市。世界史でも重要な場所として扱われています。
が、高校時代世界史をとっていた私、全然覚えていませんでした^^; 暗記で点数を稼ぐ勉強ってダメですね。まさかこの年になってそんな街を訪れるとは思ってもいませんでした。
街はタホ川に囲まれていて、中心部に行くにはアルカンタラ橋を渡っていきます。敵さんが街へ侵入しづらいような作りかなぁ、などと想像しながらテクテク。




住宅街を通り抜けてしばらく歩き、まずはソコドベール広場を目指します。
トレインビジョンで街を巡る

実は行きの車内で、トレインビジョンなるものを予約していました。
汽車のような車に乗ってトレドの街を一周するアクティビティです。日本語にも対応しているオーディオガイドが付いています。
ソコドベール広場でもチケットを買えるようですが、現場でもたつくのも嫌なので調べたら買えちゃいました。Webってほんと便利です。
乗り場はソコドベール広場左手を少し上った場所にあるのでわかりづらいです。わからない人は広場のチケット販売所で聴くと良いですね。
到着するとすでに人の列ができていました。チケットがないとそこには並べないようでしたので、ソコドベール広場のチケット売り場かWebで必ず買ってから並んでくださいね。










爽やかな風を受けながら、45分でトレドをぐるっと一周するトレインビジョン。徒歩では見ることのできないトレドの全景をゆったりと楽しむことができました。お勧めです(^^)
街を散策し、エル・グレコ美術館に入館
トレインビジョンに乗ったあとは、中世の雰囲気を楽しみながら入り組んだ道を散策します。
カテドラル(大聖堂)やアルカサル(軍事博物館)など見どころが多いのですが、今回は外観を楽しむだけにしました。




建物を楽しみながら目指す場所はエル・グレコ美術館です。
入場料は3ユーロ。ただし土曜日の14:00〜日曜日は入館無料となります。
主人のリサーチにより知ったのですが、偶然にも無料で入館することができました。
外観は現代のスペインっぽくスタイリッシュ、内部はエル・グレコが生きた時代を再現した雰囲気のある建物になっています。
ゆったり気分で見学することができて、たくさん歩いてきた疲れも癒やされました。




楽しかった古都トレドのプチトリップもそろそろ終わりの時間です。
タホ川に別れを告げ、マドリード戻りましょう。
ちなみにOmioで予約した列車スケジュールは次の通り
- マドリードアトーチャ駅8:35発、トレド駅着9:11
- 帰りはトレド駅15:25発、アトーチャ駅16:01着




どちらも日帰り可能の郊外観光
以上バルセロナ、マドリードから日帰りで行ける街をご紹介しました。
行き方を調べたり、スケジュール調整をするのは少し手間ですが、訪れて損のない場所でした。
スペインの夏は日没が午後10時近くなので、郊外プチトリップから帰ったあとも時間がたくさんあります。ホテルで休んでから、夜の街に食事や買い物に出かけることができ1日を有意義に過ごすことができました。
大都市を巡るのも楽しいですが、旅のスパイスとしてご自身の気になる近隣都市の訪問を組み入れてみてはいかがでしょうか。きっと思い出に残る旅になることでしょう。
ぜひいろいろなスペインを味わってみてくださいね。